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2017年3月1日水曜日

トゥルーコーリング

死者が放つ「助けて」の合図

モルグで研修することになった医者志望のトゥルー。
深夜、一人で仕事をしていると誰もいないはずの遺体ロッカーの部屋から声
がする。不審に思って近づくと、その日運ばれてきた女性の元に辿り着く。
ロッカーから出して見つめていると突然、目が開いた頭がこちらを向き、彼
女に「助けて」と告げた。
その瞬間、トゥルーの時間は巻き戻る。
遺体ロッカーの女性が命を落とす前に。
こうして、死者のために奔走する日々が始まった。

2003年アメリカ製作のドラマ、全26話。
失敗したり後悔したりした日に、もう一度やり直せたらと思うことがよくあ
ります。
主人公・トゥルーはその機会を得ますが、やり直すのは自分のことだけでは
なく、他人の命を背負わなくてはならないという、なんとも重い能力です。
生前に何の関わりのもなかった人が大半なので、何故死ぬことになったのか
どんな背景があったのかなどを調べなくてはいけない。
事件なのか事故なのかすらわからないし、悲劇が起きる前に戻っているから
誰も死んだ時の情報を持っていない。
一味違ったミステリーです。
トゥルーはモルグでの初日にこの能力に初めて目覚めました。
能力を知っているのは、上司のデイビスと弟のハリソンだけ。
しかし、子供の頃強盗に殺されてしまった母親にも同じ能力があったという
ことが判明します。

また、トゥルーが一日をやり直す時、一緒に繰り返しているジャックという
男が登場します。死者に助けを求められて気が付いたらその日の始まりに戻
るトゥルーに対して、ジャックは遺体を目にせず、死者が死ぬ時の状況など
が頭に入り込んだ状態で戻ります。
そして、ジャックは死者をその運命から外さないことを使命としています。
本来死ぬはずの人間を生かすことは宇宙のバランスを崩すことだと主張し、
トゥルーの妨害をしてきます。悪人というわけではないのですが。
更に、疎遠となっていた父親も登場するのですが、実はこの父親がジャック
に指示をだしていたり、情報を探ったり事件の裏で糸を引いていたりするの
です。

この力は一体何なのか、考えが真っ向から対立する父親達との決着は、トゥ
ルーはこの先もやり直し続けるのか。
全ての答えは、明かされないまま最終回となりました。
打ち切りです。
様々な思惑や秘密を抱えた人々がパーティーを開き、視聴者にモヤモヤを抱
かせて終わります。続編がないと困るような終わり方。
話には聞いていましたが、当時かなりハマってDVDを次々借りていたので、こ
の終わり方はショックでした。今でもモヤモヤが晴れません。

本当に面白かったんですよ。
便利な能力に見えて、実際には助けられない命があったり、死者が言った「助
けて」が本人のことではなかったりと複雑になっています。
誰かを救うと他の誰かが代わりに死んでしまうなんてこともあって、毎回ハラ
ハラさせられます。
最終回を広い心で迎えることが出来るなら、お勧めの作品です。

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