少女スパイが街を駆ける
七色の声を操り、小さな音でも聞き分ける耳を持つ女子中学生・ニコ。喋り方や声質で相手の容姿、性格まで分析できる。
将来、占い師かスパイになるためにテレクラのサクラでアルバイトをして、観
察眼を養っている。
ある日、偶然居合わせた謎のおじいさんから、誘拐事件の相談を受ける。
この件以降、コードネーム「セクシーボイス」として依頼を遂行する日々が始
まった。
それはやがて、ニコが大きな決断を迫られることになる始まりでもあった。
2007年にドラマ化された漫画。
あちらはニコとロボの主人公2人が大騒ぎしながら、時にしんみりさせて依頼
を達成させていました。
能天気に好きなことに夢中になって生きているロボが、実は自分をブレさせな
い強さを持っていたり、特殊な力があって何事にもドライなニコも年相応に悩
んで迷って、だからこそ響く言葉がある。
そして、社長の深く重い言葉。
対して原作である漫画は、主人公はニコのみでロボは相棒ではなく子分。
毎回わけも分からず呼び出されては、事情すらよく説明されずに使われます。
ニコの素性も下の名前ぐらいしか知らないでしょう。
一緒に解決ではなく、ニコが動きやすくなるための駒扱いです。
実際、「言うことは何でも聞く」などと言っていますし。
また、ニコの性格も違います。
ドラマ版はあくまで普通の中学生でしたが、漫画版は冷静で頭の回転が速く、
淡々と依頼をこなします。少なくとも表面上は怖いものなしです。
この世にはいろんな生き物がいて、怖い生き物がいる。
それを知っていくニコは自分の将来について考えます。
恐ろしい生き物が泳ぎ回る世界を渡り歩く才能がニコにあるのは確かです。
しかし、それは自分の望むものなのか。
わからなくなったニコに、元スパイのおばあさんが言います。
「意志ではなく、才能が行く道を決めることがある」と。
スパイをやめても何かの事件に巻き込まれるかもしれない。
その時救えるのがニコだけかもしれない。
いずれにせよ、裏の世界を一度知ってしまったニコは、平凡な世界では退屈し
てしまうでしょう。
漫画は全2巻だと思っていたのですが、どうやら未完だそうです。
もう15年近く前の作品ですが、機会があったらぜひ続きを書いて欲しいです。
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