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2017年3月15日水曜日

双亡亭壊すべし

その屋敷には深い深い闇がいる

大正時代から存在している大きな屋敷・通称「双亡亭」。
近所でもお化け屋敷として有名なこの場所に、2人の父子が引っ越してきた。
しかし、その日のうちに父親は死に、息子は血の涙を流して正気を失った状態で病
院に運び込まれた。
「パパが家に食べられた」と叫んで。


同じ頃、総理と防衛大臣の指示である作戦が遂行されていた。
国内に向かっての空爆。
目標は双亡亭。
総理と防衛大臣は子供の頃、双亡亭に入りそこで恐ろしい体験をした。
今でも見続ける悪夢に、あの屋敷を破壊しなければと決意した。
「双亡亭壊すべし」を合図に空爆開始。
辺り一面更地になった―はずが、双亡亭は何事もなかったかのように建っていた。

この時、上空ではもう一つの事件が発生していた。
突如、45年前に行方不明になっていた旅客機が出現し、生存者はただ一人。
行方不明となった当時と同じ少年の姿で、手をドリルのように変形させ怪物と戦っ
ていた。彼もまた「コワシテヤル」と口にした。

第1話から怒涛の展開が始まります。
藤田和日朗が描く、押し潰されるような衝撃シーンは登場人物達がどれほど恐怖し
ているのかが伝わってきます。
そして勝たせる気など毛頭ないと思ってしまう敵が圧倒的です。
正体も全体像もわからないのに、その悪意に満ちた恐ろしさだけは嫌でも理解でき
てしまう。

双亡亭に巣食っているのは悪霊ではない。
しかし、中に入った者は何かにとり憑かれたように味方を襲って来る。
屋敷の中で自分の肖像画を見つけたら、その絵の中から無数の白い手が伸びて引き
ずり込んでしまう。
そして帰ってきた時には別のものになっている。
これらの描写が絶望的で、どうやったら壊せるのか全くわかりません。
外からでは決して傷一つ付けられない。
けれど、中に入ったらヤバ過ぎる。打開策はあるのか。
今後の展開が楽しみな漫画です。

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