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2017年3月11日土曜日

背すじをピン!と~鹿高競技ダンス部へようこそ~

戦場と化す迫力のダンスシーン

特に取り柄もない主人公・土屋雅春は、高校の部活説明会で競技ダンス部
に出会う。そのダンスに魅了されるが、自分には敷居が高いと感じる。
しかし、美人の先輩に釣られて体験入部に行き、そこで巨大アフロの筋肉
部長に捕まってしまう。
個性豊かなメンバーに囲まれた青春生活が始まった。

秘めた才能も身長もない主人公が、並々ならぬ努力の末に強力なライバル
達に勝利していく、とはならない漫画です。
急成長はせず、一歩一歩着実にステップアップしていきます。
その代わり、土屋君の脳内では才能が開花されるストーリーが度々繰り広
げられています。
ジャンプでスポーツ漫画は珍しくないが、社交ダンスは初めてですかね。

初心者から1年足らずで急成長したのは2年生の八巻・椿ペア。
格闘技のように激しいダンスを得意とし、常にケンカしているような2人
です。
彼らをまとめ上げるのが部長副部長の土井垣・綾辻ペア。
14年間組んでいるベテランで、全国トップレベルの実力者です。
この土井垣部長のキャラがとにかく濃いので、小さい以外特徴がない主人
公とヒロインがかすんでしまいそう。

主人公ペアが、初めて体験するダンスに戸惑いながらも互いを支え合って
成長していく物語ですが、これはスポーツ漫画。
他者と競い、自分達こそがトップになるという熱い戦いがぶつかり合いま
す。
ライバル達も強烈なキャラで、それぞれに物語があります。
そして圧倒的なチャンピオン。悪役ではなく絶対的な強者として君臨し、
存在感抜群です。
そんな猛者達が集う戦場で、主人公ペアは自分達の戦いをします。
少年漫画の王道とは外れていますが、彼らの武器はダンスを楽しむこと。


バトルを担当するのは先輩達の役割で、そのシーンはバトル漫画のように
激しくスピード感があります。
特に表情がいいです。激しい競技中、息は切れ疲れも出ているのに目は生
き生きとして、読んでいる側にも熱が伝わってきます。
土井垣・綾辻ペアの感情をぶつけ合うダンスは一押しです。

競技ダンスはよくわからないという人も、詳しく解説してくれる玄人おじ
さんが毎試合いるので安心です。
彼はダンス鑑賞歴30年、ダンス経験なしというベテラン。
正直、昔やっていた「ウリナリ社交ダンス部」のおぼろげな記憶ぐらいし
かダンスはわかりませんが、読み進めていくうちに一緒にハイになってし
まいました。

女性陣の衣装が煌びやかで目を奪われますが、土屋君のTシャツの文字に
も注目してしまいます。
「ハケ」の裏が「ブラシ」だったので、「米派」の裏は「パン派」でしょ
う。
では、「パータッチ」や「油そば」の裏は一体・・・。
それから、「だんご3兄弟」は今の高校生には通じないんですかね。
通常ひと串に4個で販売していた店で、ブームに乗ってひと串3個で販売
してみたら、いつもより売れたという伝説を残した3兄弟。
ちょっとショックでした。


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