天使か悪魔か
ある朝、台所のテーブルで目覚めた仲村さん。体中が痛い最悪の寝床。全ては数日前のアイツの出現から始まった。
獣将王の敵、兄・カブトウンと弟・アガタの食玩。
兄は手に入れていたが、弟はまだ。どうせ敵は売れ残ると高を括っていたら
既に売り切れが続出しており、任侠さんの店にもなかった。
元々兄者だけでいいと思っていた仲村さんだが、やはりゲンカ将軍、カブト
ウンと並べたらアガタも欲しい。
どうかアガタをお招き下さいと願っていたら、窓から黒いものが。
なんと兄者の足元に落ち着いたのはアガタ・・・ではなく、リアルクワガタ。
虫が大の苦手な仲村さんは、もはやリビングにすら近寄れない。
こうして仲村さんの戦いの日々がスタートした。
虫は平気な藤井さんが退治してくれると言うが、あの部屋は非オタが立ち入
ることは禁じられた地ゆえに却下。
では長い箸で掴めばどうか、との提案が上がるも、細長い脚から繰り出され
るワキワキとした動きに耐えられないためこれもダメ。
まだ寒いこの時季、このまま奴の体力が尽きるのを待っていればいいのでは
と考える仲村さんだが、その後の処理で新たに問題が発生してしまう。
しかし、現在「ロッカー事件」や北代さんによるオタク敵視警報により会社
でもやりづらい状況なのに、自由なはずの自宅まで侵略されるのは我慢なら
ない。
完全防備で挑む仲村さんは、安息の地・仲村城を取り戻せるのか・・・⁉
甲虫界のスター、現る
嫌いで嫌いでしょうがなく、何がいいのかわからない。でも、誰かにとっては大好きで大切なもの。それを勝手に捨てることは出来ない。
決死の覚悟で捕獲に成功した仲村さんでしたが、もしかしたら人に飼われて
いるクワガタなのではないかと考えました。誰かが大切にしているのではな
ないか。
「てれびくん」が燃やされた時の苦しみを知る仲村さんには、どうしても自
分が嫌いだからといって捨てることは出来ませんでした。
それに、失態を犯したアガタを罰しようとしたゲンカから弟をかばったカブ
トウン。ゲンカからすれば兵の一人に過ぎずとも、自分にとってはたった一
人の弟。傷つけられるのを黙ってみていることは出来ない。
あんな兄弟の絆を見せつけられた後では、弟(リアル)を捨てるなど出来ま
せん。
恐怖に耐えて作ったチラシにより、迷いクワガタ・キングの飼い主である少
年が駆けつけて来ました。やはり大切にされていたようです。雨の中、息を
切らしてやって来るくらいに。
長かった仲村城占拠事件は多少の出費により幕を閉じました。
チラシ用に撮った写真のデータすら残しておきたくない仲村さんは、その中
に兄者に寄り添う弟(リアル)の写真を見つけました。
とりあえず、弟(フィギュア)が手に入るまで、これを兄弟とすることにし
ました。
キングは6㎝弱とのことでしたが、ヒラタクワガタは最大73mmという大型種。
飼育されるものでは76mmがいるとか。
そんな奴が相手じゃなくてよかったですね、仲村さん。
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