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2017年2月2日木曜日

小型書店はどこに消えた

気が付いたら無くなっていた風景

学校の文房具、夏休みの工作の材料、絵本や漫画・・・町の個人経営の本屋
さんでよく買ったものです。店と家が一体化しており、店内に流れるのは音
楽ではなくTVの音でした。
大型書店は遠出しなければいけなかった頃、本屋といえば近所の小型書店
が主流でしたが、いつのまにか近くに大型が建ち始めました。だんだんと小
型書店から足が遠のき、気付いた時には昔なじみの店は閉店していました。
全国的にも小型書店は姿を消しているようです。

大型書店に比べて入り難いと思ったことはあります。
静かだし人も少ないので、若干の気まずさというか気軽にふらりと入って目
当てのものが無ければ何も買わずに帰るというのがやりにくい気がしてしま
う。
常連さんが集まる飲み屋や喫茶店に紹介もなく初めて入った新参者の気持ち
とでも言いましょうか。
人に紛れて生きることを生業としている者にとっては少々壁があるのです。
同じ理由で個人の古本屋も入りたいけれど敷居が高く感じてしまいます。
平日の午前、客が誰もいなくて静かなのに、大型書店や中古屋には平気で入
って、じっくり本を探せるのは不思議なことです。

しかし、小型には小型のいい所があります。
大型書店はたくさんの人が来ますから、一般的な本が置いています。よく売
れるもの、新しいものが多く、取り扱う種類も広いです。
けれど、マイナーなものや昔のものはほとんど置いていなくて、欲しいと思
っても手に入れられない訳です。
その点小型書店では、いつから置いているんだと思うほど古いものが当たり
前に並んでいたりします。専門書なんかも随分コアな所を取り入れている店
もありましたね。

とはいえ、大型書店が悪い訳ではないんです。大衆向けというのはなくては
ならないものですから。
それに、古本なんかは大型の所だと安いですからね。絶版されていても初版
本でも他と同じ値段で売られています。買う側としては問題ないんですが、
持ち主は売る店を間違えましたね。
今はもう閉店した大型古本屋のチェーン店では高価買取をしていました。
初代悪魔くんの単行本が1冊3000円で売っていましたし、当時の雑誌や今
では新装版でしかお目にかかれないような作品、それすらない作品も元の値
段より高く売ってました。

つまり、大型を減らして小型を増やせというわけではなくて、たまには小型書店
にも足を運びましょうよ、ということです。
確かに入るのはちょっと勇気がいるのですが、あの雰囲気がいいんだと言う人
もいるので仕方がないのかもしれません。でも、もう少しだけオープンにしては
頂けないものでしょうか。小心者でも入れるようなのを。

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