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2017年9月8日金曜日

百姓貴族 

漫画家・荒川弘が語る、未知の世界「農家」の実態

日本の食糧倉庫・北海道。
その地で7年間農業に従事していた者がいた。
「鋼の錬金術師」でお馴染みの荒川弘である。
代々北海道開拓農民である彼女の家では、牛を飼い、野菜を育て、日々労
働に明け暮れる。

その日常は農家でしか通用しない非常識のオンパレード。
敷地内に川が流れ、未成年者がトラックを運転する・・・
当たり前に消費している農作物の裏側に、我々の知らない真実がある‼

このエッセイ漫画を読んでまず思うのは、「お百姓様は逞しい」です。
そう思わせるのは、ほぼ荒川氏の親父殿の不死身伝説によるもの。
橋が壊れていたらトラックで飛び越えたり、内臓破裂にスズメバチ、兎に
角ネタが尽きない御仁だそう。
非農民からすると大分タフなエピソードを持つ荒川先生ですら、来世でも
勝てないと思わせるほど。

農家の出でなければわからない苦労や裏事情が満載。
カボチャの生命力は侮れない。
「トリフィド」とか「オードリー・ジュニア」とか植物クリーチャーがあ
りますが、カボチャもそのうち人類を襲うかもしれません。

美しい田園風景が犠牲の上に成り立っていることや、近所の農耕馬の行く
末など、表には出されない農家あるあるが読めます。
ギャグタッチで描かれていますが、結構なブラックエピソードが多いです。

農業に興味がある人もない人も、ぜひ一度読んでみて欲しい。
バター騒動や牛乳を捨てなければならない理不尽、卑劣な野菜ドロボーな
ど、この国の食を支える人々の血と涙と汗を我々消費者も知らないでいる
わけにはいかないと思うのです。

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