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2017年5月17日水曜日

許されざる者共

甦る過去の痛みと還らぬもの達

ここ最近、世界中で蔓延しているコンピューターウィルス。
特に騒がれているのが、身代金型ウィルス「ランサムウェア」です。

突然わけの分からない文章が表れたかと思い、消して作業を続け、電源を
落とす。
次の日、電源をつけると何やら前日と同じ文章が出ている。
消しても消しても何度でも浮かび上がる謎のメッセージ。
ネットは使える。
このメッセージは何を意味しているのかと調べてみると、それは犯行声明。
「データを人質に取ったから、返して欲しければ金を寄越せ。」
ファイルは全て真っ白になってバツ印がつけられている。
何が入っていたか、ファイル名は残っているのに入れない。
それはまるで、住人が去った家の様。
表札が外されていないのが悲しさを増長させる。

ランサムウェアが人様のデータを連れ去るのは今回が初めてではありませ
ん。
テレビや新聞で大きく取り扱い詳しく説明し、注意を喚起していますが、
それ以前から奴等は存在していました。

それは去年の初めのこと。
奴等は英文と共に現れ、取り溜めていた音楽データを手の届かぬものへと
変えていったのです。
今は日本語の身代金要求ですが、あの時は全文英語。
何を要求しているのか、そもそも要求されていることにすら最初はわかり
ませんでした。

調べてみるとそれは身代金型ウィルスであること、お金を払ってもデータ
は返ってこないことがわかりました。
そして初期化をお勧めされました。
幸い、音楽データは別媒体にもコピーしていたので全てを失ったわけでは
ありません。
パソコンに残しておいたのは万が一の時のための、言わば倉庫のようなも
のでした。
本体は無事です。
他には特に無くなって困るようなものもありませんでしたし、バックアッ
プを取っていなくても、そこまでの被害じゃない。
セキュリティソフトも入れずにネットサーフィンを楽しんでいた愚か者に
対するいい教訓だ。

初めのうちはそう考えた自分が居りました。
しかし、初期化した時の虚しさと設定し直す面倒くささ。
セキュリティソフトを購入して一安心した後に起きたCPU高騰とメモリー
ブレーカーによるパソコンの停止。
結構な期間使用していたので結局、メモリーを増設などせずに買い替えま
しょうという結論に達しました。
これら一連の流れにより、当初抱いた教訓などという考えは怒りに変わり、
セキュリティソフトの新パソコンへのお引越しが上手くいかなかった時に
は憎しみに進化しました。

現在は常にセキュリティソフトが目を光らせてくれていますので安心です
が、あの日の憎悪は消えずにいます。
確かに被害は最小だったと言えるでしょう。
しかし、そういうことじゃない。
金目の物を盗まれなかったとしても空き巣は空き巣。
やられた方は悔しくて仕方がないのです。

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