人魚姫のごめんねごはん

ギャグ？グルメ？それともホラー⁉　行きつく先は姫の腹の中

海の底で魚達と戯れる人魚のエラ姫。
そこへ友達のカツオが人間に釣られてしまったという突然の訃報が。
せめて皆を代表してお別れだけでもと、エラは喪服に身を包み地上へ向か
う。

海の仲間を残酷な方法で食べる人間が住む危険な地上。
すっかり変わり果てた姿にされたカツオも店の皿の上にいた。
手を合わせ、楽しかった日々を思い出すと涙が流れていく。
弔いを済ませ店を後にしようとするエラに、人間が声を掛ける。
食べてやらないと成仏できない、と。

大切な友達のために危険を冒してまで地上に来たというのに。
手を合わせただけでは本当の供養ではないとは。
でも、だからと言って友達を食べるなんて・・・⁉

これは禁忌に触れた人魚姫の物語。
出会いと別れが目まぐるしく訪れる、悲しくも美味しいお話。

どんなに悲しくても空腹はやって来る。
美味しいものは美味しい、それが供養に来たはずのお友達でも・・・

同種を食べることは禁忌である。
自然界では絶対というわけではありませんが、基本的に行われませんし、
言葉を交わし友好関係が築けるような生物は禁じています。
しかし、もしもその禁断の味がこれまで口にしたこともないほどの美味だ
ったら、どうなってしまうのでしょうか。

海のお友達＝美味しいと知ってしまったエラ。
それがどれほど危険なことかというと、あの有名な人間が大好きな天才博
士に匹敵するレベル。
あなたの後ろにハンニバル。

この漫画において、新キャラで尚且つ目立つことは、自ら冥界行きの旗を
振りかざしているようなもの。
話数が増えるたびに遺影の数も増えていき、狂気さも積み上げられていき
ます。
いい話だったはずなのに、結局は誰かが美味しく召し上がられる結末にし
かならないのですから。

騙されてはいけない。
この漫画は可愛らしい絵を被った、明日をも知れないDEAD OR ALIVEを
描いたもの。
気軽に読んではショックを受けるかもしれません。
あんなに元気だった友達が、次のページでは捌かれて胃の中なんてことは
珍しくないことですから・・・