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2017年7月26日水曜日

トクサツガガガ 第42話 よそはよそ、うちはうち!

本物が正しいとは限らないのがウチルール

再びカレー屋のインド人(仮)に元気がないと指摘された仲村さん。
本来なら、映画「絡繰忍者雷伝」を封切りでで観に行けて上機嫌のはず。
しかも、雷伝を観たいと言うカエル好きにして忍者のカッコ良さに惹かれる
女性を発見。
さりげなく聞き耳を立て、心の中で雷伝お勧め活動に勤しんだ。

しかし、隣りの彼氏は「洋画に比べたらショボい」と禁断の言葉を発した。
わざわざ観る価値はない、と。
これを言われてしまうと、正直反論できない。
「リアリティー」部門では勝ち目がないのは仲村さんも悔しいが認めている。

だが、何かが釈然としない。
雷伝よりもチープである獣将王ら特撮ヒーロー。
所詮子供だましと言われても仕方がないのだが、価値がないというのはいか
がなものか。
リアルさで劣る邦画特撮は、本当に観る価値はないのか・・・⁉


郷に入っては郷に従うのが正しい


リアルを追求することで素晴らしい作品が生み出されるし、まるで本当に実
在するかのように作品に引き込まれる。
けれど、リアルに忠実であることが常に正解とは限らない。

モヤモヤを抱えた仲村さんは、偶然店にいた小野田君と相席になります。
実は小野田君もバターにまつわる苦いエピソードを抱えていました。
皆の前でマーガリンを「バター」と言ってしまったのだ。
その場にいた人達は大爆笑。
しかし小野田君にとっては、全面的に間違っているとは言い難いことでもあ
りました。

それというのも、小野田家ではバターを使う習慣がなく、たまに使うマーガ
リンを「バター」と呼ぶのが小野田家コミュニティでの共通認識でした。
従って、世間一般では間違っていることではありますが、小野田家では間違
っていないというわけです。

雷伝も同じこと。
リアルに再現してしまうと巨大なガマくんとその背に乗る雷伝、登っている
建物が上手く噛み合わない。
正確な比率を崩し、本物とはまるで違うものにした時、そのフレームの中で
は「正しいもの」になる。
それこそが作品の「リアリティー」なのです。

確かに、宇宙空間で爆発音がするのはおかしいからと無音の戦艦バトルを見
せられても困りますしね。
巨大ロボの足元事情とかも、あきらかに建物を踏みつぶしていなければおか
しいけれど、あのシーンはあれでいいんです。
その被害を描いたガメラシリーズがありますが、あの作品はあの作品で正し
い。
そもそもが別作品、比べる必要などないんです。

リアルで派手なCGをたくさん使わなくても雷伝は最高でした。
物理的には間違っていても作品としては成立している。
よそ様のやり方は、自分のウチでは関係ない代物でしかありません。

そして、小野田君は盛大に勘違いしていますが、仲村さんがいい人であるこ
とも間違ってはいないのです。

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