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2019年7月26日金曜日

SHIORI EXPERIENCE~ジミなわたしとヘンなおじさん~

ダサくて無様なバンドマン達の音楽に圧倒される

地味な英語教師・本田紫織は、アフロのおじさん幽霊に身に覚えのない契約
で憑りつかれてしまう。
しかも、27歳が終わるまでに音楽で伝説を残さないとあの世行きだという。

あの世行きを回避するため、かつて諦めたギターを再び手にし、生徒達とバンド
を結成する。
過去を引きずり、葛藤を抱え苦しみぬいてはヘコまされる日々。
それでも音楽を武器に壁をぶち壊していく。

果たして生きてる間に伝説を残せるのか。
命を懸けた挑戦を体験せよ!

まさかジミ・ヘンドリックスをこう使うとは。
タイトルが面白くて手に取った漫画が、こんなにも熱量を持っていたことに驚い
た。
誰かが物語を持っているのではなく、一人一人が挫折や迷いを持っている。
特別な過去がない奴にも物語がある。
それを丁寧に積み重ねているから、聞こえないはずの音が紙の向こうから溢れ出
して来るのかもしれない。

また、重要な場面で挿入される曲が、その時の心情や状況を的確に表してくれる。
名曲揃いで、頭の中で勝手に流れ始める。
ジミがカート・コバーンに答える時に流れる「また逢う日まで」
大物の風格を持った深く高い声でサラリと歌うこの曲が実に合う。

最大の敵であり壁である吹奏楽部の顧問と部長。
この2人の物語は重厚で、下手に首を突っ込んだらタダでは済まない熱がある。
そんな揺るがない絆で結ばれた2人に流れた「ラブ・イズ・オーヴァー」
多くを語らない大人の終わり方が沁みる。

現在ビッグガンガンで連載中。
正直もっと話題の中心になってもおかしくない作品だと思う。
いつかアニメ化か実写化されて広い認知度を得るんじゃないかとも。
ただ、映像化する人達は相当な覚悟がいるはず。

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